ふる里養魚場

岡山県水産試験場魚病指導センターを訪ねたところ、珍しい取り組みとして、ナマズ(鯰)の養殖をしている鏡野町の「ふる里養魚場」を紹介していただきました。
代表のAさんの本業は建具屋さんで、甥と2人で養殖を手掛けています。規模はかなり大きく、自宅から少し離れたところにある、休耕田を利用した約40坪の畜産池と、裏山の谷水を利用した、広さ1反の池が2箇所あります。養殖を始めるとき、茨城県のナマズ養殖業者の所で指導を受けたそうです。

ナマズの特性
・神経質で、腹に穴が開く事もあるのだそうです。
・雄雌見分け方:尾ビレが分かれているのが雄。
・1年で40cm、3年で50cmほどに成長します。
・肉食で、共食いをすることもあります。
・畜産池、池とも、水は濁っているほうが良いそうです。

産卵・稚魚・餌
・川で獲った成魚を池に入れると、6月には自然産卵し大量にふ化します。
・基本は鯉の餌を使用。稚魚のうちはアミ類などを与えています。
・稚魚は、25℃の水で40日飼えば約5cmに成長します。
・稚魚のうちは餌を1日7回に分けて与えています。
・成魚の餌は1日1回、自動給餌機で与えています。

食材としてのナマズ
・関東の料亭などで年間約60t消費されています。
・薄造りにすると、コリコリとした食感でフグのようです。
・アメリカではフィッシュバーガーにナマズが使用されています。
・丸ごと叩いてミンチにします。頭部が全体に占める割合が大きいため、こうすると無駄がありません。
・唐揚げ、煮物にしても美味しいです。

販路・イベント
一番の課題はやはり「販路開拓」のようです。一時は飼育方法を学んだ養殖業者にも卸していたそうですが、現在はそれもありません。裏山の池には約2tの成魚がいて、出荷ができないと餌代が嵩むのだとか。町内の、ナマズ料理を出していた店も無くなりました。イベントには極力参加をしていて、ナマズの味を知ってもらうために唐揚げの試食・販売をしたり、「ナマズの稚魚すくい」を開催したりして、ナマズの知名度アップに努めています。

感想
Aさん自らナマズを調理した「薄造り」と「唐揚げ」をいただきました。造りは食感がコリコリとしていて臭みもなく、唐揚げは白身の魚と鶏肉を2で割ったような食感で、とても美味しく驚きました。Aさんは、「あまりナマズを食べる習慣がないので、1軒でも多くの料理屋さんで取り扱ってほしい。ナマズは食卓の中心のおかずにもなる。」と話します。また、鯰の稚魚は観賞用に1匹1,000円でインターネット販売をしていて、多くはないけれども注文が入るそうです。販路が開けさえすれば、将来性があり、今後ともこの地域のユニークな取り組みとして頑張ってほしいと思います。

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